突然炎のごとく
エヴァの匂い
二十歳の恋
スウェーデンの城
女と男のいる舗道
5時から7時までのクレオ
アイドルを探せ
軽蔑
アルファヴィル
ビバ!マリア
男と女
獲物の分け前
アンナ
ロシュフォールの恋人たち
男性・女性
冒険者たち
昼顔
彼女について私が知っている2・3の事柄
バーバレラ
セシルの歓び
あの胸にもう一度
うたかたの日々
スローガン



1961
突然炎のごとく

監フランソワ・トリュフォー
演ジャンヌ・モロー
オスカー・ウェルナー
アンリ・セール
 1人の女と2人の男の奇妙な関係。第二次大戦という背景がなおのこと3人を複雑なもの にしてゆく。
男の友情ってそんなに揺るぎないものなのでしょうか?自分の愛する女性を、我を犠牲にして友にゆだねられるほどに・・・?
イギリス人俳優 オスカー・ウェルナーの繊細なようすが切ない。そしてつかみどころの無い影ある女を演じさせたら右に出るものはいないであろう、ジャンヌ・ モロー。彼女の笑ったところってすごく可愛らしい。突然ぱっとお花が咲いたように少女の顔にもどってしまう・・・。
とにかく、名作です。


1962
エヴァの匂い

監ジョセフ・ロージィ
演・ジャンヌ・モロー
スタンリー・ベイカー
ヴィルナ・リージ
 魔性の女です。この映画でジャンヌ・モローは絵に描いたような魔性の女を演じています。
足蹴にされて尚燃え立つ男たち。湯水のように金を浪費させ、社会的地位までも奪い、正妻を死に追いやる・・・。彼女はたった数度の快楽以外に、なにも与えはしないのに。
決してもう若くはない彼女の顔にはしわがあり、完璧な身体を持っているわけでもない。だけどバスタブの蛇口をひねるしぐさや本を読みながら寝返りを打つようす、カルダンをまとってさっそうと歩く姿がもの凄く魅力的で、女の私から見てもうっとりするほど。 彼女がかけるジャズ、ルグランがクール!
 


1962
二十歳の恋

監フランソワ・トリュフォー
ジャン=ピエール・レオ-
マリー・フランス・ピジェ
 アントワーヌ・ドワネル・シリーズ第2弾の短編映画。
「フランス青年音楽同盟」に加入し、 PHILIPSのレコード工場で働き、足しげくコンサートへ通うアントワーヌ。ある晩ひとりの女の子に恋をする。彼の淡々とした表情の中に見え隠れする情熱。だけど不器用な恋はやっぱりうまくいかない…。
「二十歳の恋」、このタイトルにエヴァー・グリーンの輝きを感じます。20才でこんな恋ができるなんて、ステキな時代。

本来は5カ国の監督による短編で綴られたオムニバスでした。実は私は巨匠アンジェイ・ワイダ 編が1番好きなのですが…。
 
1962
スウェーデンの城

監ロジェ・ヴァディム
演モニカ・ヴィッティ
クルト・ユルゲンス
ジャン=クロード・ブリアリ
ジャン=ルイ・トランティニャン
フランソワーズ・アルディ
 スウェーデンの孤島にそびえ立つ古城。そこには18世紀の衣装を身に着ける事をルールとする奇妙な一族が住んでいる。
冬の間、滞在を余儀なくされたジャン=ルイは領主である従兄弟の美しい妻と関係を結ぶ。次々と判明する奇妙な実態!

 衣装倒錯の一族が中心なためまるで時代モノですが、オール・スター・キャストです。どこか笑いを誘われてしまうシーンはヴァディムのセンスでしょうか。 そしてなんといっても見所は、幽閉された少々アタマの足りない前妻を演じるフランソワーズ・ アルディ!彼女って大柄なイメージがあったけどすごーくかわいいのね!
 

1962
女と男のいる舗道

ジャン=リュック・ゴダール
アンナ・カリーナ
アンドレ・S・ラバルト
 静かで、空虚で、悲壮で、。まっさらなアンナ・カリーナの無の表情が美しいですこわいほど。
ひとりの若い女がレコード店の店員から娼婦へ。
堕落、と言ってしまうにはあまりにもきれいでさみしい。
見終わって、とても印象に残った、好きな映画。

(レコード店の様子が興味深い。)
 


1962
5時から7時までのクレオ

アニエス・ヴァルダ
コリンヌ・マルシャン
アントワーヌ・ブルセイエ
 コリンヌ・マルシャンが演じるクレオという名の若い歌手、彼女の不幸のどん底な2時間をそのまま時間どおりに描いた映画。もしかしたら、ガンに冒されているのかもしれない、そんな不安の中、カフェでもの思いにふけり、街をさまよい、将来を占う。そして…。
彼女のこころの影が印象的なシーンとともに刻々と動いてゆくのがわかります。2時間、見守りましょう。
クレオの慎ましげな雰囲気と、ファッションがステキです。ちなみにアンナ・カリーナとゴダールも出ています。
 
1963
アイドルを探せ

監・ミシェル・ボワロン
演・シルヴィ・バルタン
ジョニー・アリディ
シャルル・アズナブール
ミレーヌ・ドモンジョ
ダニー・サヴァル
 1本のギターの行方を追って大奮闘するカップルの行く先々に、シルヴィ&ジョニー、 アズナブール、ミレーヌ・ドモンジョといった大スターたちが現れる!日本でも大ヒットしたタイトル曲「アイドルを探せ!」を歌って動くシルヴィも見られちゃう!かわいいわよ!
ダンス・コンテストやレコード・ショップでのキャンペーン等々、60's好きの私達には たまらないシーンがもりだくさんです。
紳士アズナブールのニクイ役柄にも注目!
 

1963
軽蔑

ジャン=リュック・ゴダール
ブリジット・バルドー
ミシェル・ピコリ
ジャック・パランス
 1本の映画をとりまくさまざまな人間。太陽の下で徐々に降り積もる夫への憤り。
・・・なにはともあれ、この映画の中のBBはものすごくBBらしく、彼女のダークサイドな魅力をフルに見る事ができます。あのふくれっつら!奔放で身にかまわず、それでいて猫のようなカンペキさ!
印象的なのは各所で目に入る赤と、空の青い色。美しい映像ですね。
 

1965
アルファヴィル
ジャン=リュック・ゴダール
アンナ・カリーナ
エディ・コンスタンチーヌ
 SF?そう、SFです。実際のパリを未来都市に見たてて撮影したアンチ・ハリウッド的ゴダールのSFです。
愛を語る言葉を忘れた人々が住む、巨大頭脳に支配された都市。そこに 潜入して破壊に挑んだ男と彼にさらわれた(助け出された)人形のように無感覚な女。そして 彼は彼女に詩を、愛を教える。ラスト・シーンの「ジュ・テーム」がとても印象的。
モノクロームの映像と全編に響き渡る機械的な声が、閑散とした未来都市をなおさら恐ろしいものに。

  無垢なロボットみたいなアンナ・カリーナがほんとうにきれいです。
 

1965
ビバ!マリア

ルイ・マル
ブリジット・バルドー
ジャンヌ・モロー
ジョージ・ハミルトン
 フランス映画界の2大スター、BBとジャンヌ・モローの夢の共演!
テロリスト(!)のBB・マリアがひょんな事から迷いこんだ旅の途中のサーカス団。おかかえの歌手ジャンヌ・マリアに気に入られ、男の服を着て真っ黒く汚れたBB・マリアは彼女の相棒になった。そこで楽しくキュートに映画は進む…と思いきや???
とにかく、おそろいのドレスを着て歌い踊るふたりのすがた(ストリップまがいのこともしちゃうの)はとっても華やかで可愛い!誰が見てもBBは完璧スタイルでキレイ。だけど、大人の女の魅力ムンムンのジャンヌもステキ!
 


1966
男と女

監クロード・ルルーシュ
演・アヌーク・エーメ
ジャン=ルイ・トランティニャン
ピエール・バルー
ヴァレリー・ラグランジェ
 永遠の名作です。いったい何度ビデオを回したことでしょう。レイト・ショーにもひとり足を運んで・・・。あまりに有名なあまりに甘美なあのテーマ。まるでヴェールに包まれたような、セピア色の男と女の映像。冬の海。雨のドライヴ。流れるボサノヴァ。
それぞれのココロによぎる思い出の断片、それが辛いものから甘いものへと変わる瞬間。散りばめられたピエール・バルーのうたにあたしの胸はときめきっぱなし。
できれば晩秋に、ひとりで熱いカフェオレを飲みながら、ゆっくりと浸りたい甘ーい映画。
 

1966
獲物の分け前

ロジェ・ヴァディム
ジェーン・フォンダ
ミシェル・ピコリ
ピーター・マックナリー
 ジェーン・フォンダが演じるのは、莫大な遺産を相続した、若く美しいルネという女性。ルネは20歳も年上の実業家と結婚するのですが、その邸宅には若くてハンサムな前妻との息子が住んでいました。最初はもちろんお友達。でだけどそんな関係が続くはずはなかった…。
夫を欺き続け、義理の息子とのかけおちすら考えはじめた時、彼女を待ちうけていた衝撃の事実!
このときヴァディム夫人だったジェーン、本当にキレイです。流石ダンナ様の視線で撮られただけあります。息子マキシム演じるピーター・マックナリーもなかなかステキ。お金持ちの息子なだけに 毎晩のクラブ遊びも激しく、その辺がまた楽しめます。
 


1966
アンナ

ピエール・コラルニック
アンナ・カリーナ
ジャン=クロード・ブリアリ
セルジュ・ゲーンズブール

 ここ数年たくさん話題にのぼった、アンナ・カリーナのTV向けミュージカル。最高!ゲーンズブールの音楽が映像とマッチして言葉で言い表せないほどステキ。
大好きなあの人が私を探してる。私に恋してる。こんなに近くに私はいるのにアナタは気づかない・・・。なんて切ないの!

 ちなみにマリアンヌ・フェイスフルが謎の美少女として出ています。私の知る限り、彼女の動く映像の中でこれが1番かわいい!それとジャン=クロード・ブリアリの歌ってなかなかいいですよね!
なんだか、ここまで見どころいっぱいだとどう説明したらいいかわかりません。自慢ですが、アンナのフランス原盤サントラLPは私の宝物のひとつ・・・。
 

1966
ロシュフォールの恋人たち

監ジャック・ドゥミ
演・カトリーヌ・ドヌーヴ
フランソワーズ・ドルレアック
ジャック・ペラン
ジョージ・チャキリス
 夢のようにステキな映画。「シェルブールの雨傘」に続く、ジャック・ドゥミのミュー ジカルです。音楽もすばらしくってうっとりです。私の大好きなジャック・ペランが出ています。
ホントの姉妹が演じる双子の姉妹。現実的な姉と夢見る乙女の妹。運命の人を待ち焦がれて歌う妹カトリーヌの前にホントに理想そのまんまの人があらわれる!ブロンドにそめたジャック・ペランよ!キャー!
とにかく、姉妹のファッションから何からなにまで、ふたりがそこにいるだけでまるでお花が咲い たような可愛らしさです。
ドルレアックの後を思うと切ない…。
 
1966
男性・女性

監・ジャン=リュック・ゴダール
演・ジャン・ピエール・レオ
シャンタル・ゴヤ
ブリジット・バルドー
 淡々と、あくまで淡々と映画はすすむ。
キュート、というよりまだ幼い少女のようなシャンタル演じる、新人歌手の女の子。彼女のボーイフレンド、心揺れるコミュニストのレオが遭遇するのは反体制?いや反日常的な若者ばかり。
これって反戦映画なのかしら…?何といってもゴダール映画、思うところはあるので しょうが、BBの特別出演もあり、だいたい動くシャンタルが見られるだけで、私は嬉しいのでした
 

1967
冒険者たち

監・ロベール・アンリコ
演・アラン・ドロン
リノ・ヴェンチュラ
ジョアンナ・シムカス
 60'sだなんだという以前に「名作」とよぶにふさわしい映画。 アラン・ドロンがイヤミのない前向きな青年を、リノ・ヴェンチュラが気のいい ナイス・ガイを演じています。フィルムノワールな顔ぶれにふたりして外し役?と思いきや、素晴らしいハマリ具合で男の友情を見せてくれます。そしてみずみずしい若葉のように美しいジョアンナ・シムカス!この3人のそれぞれの恋、友情、冒険、 そして挫折… それらが見るものの胸を飛行機のとどろき音とともに、劈きます。さぁ泣け!
ジョアンナ・シムカスのファッションがとってもステキです。
 

1967
昼顔

監・ルイス・ブニュエル
演・カトリーヌ・ドヌーヴ
ミシェル・ピコリ
ジャン・ソレル
ピエール・クレマンティ
 美しいカトリーヌ・ドヌーヴ。彼女のもっとも美しいころ。
何不自由ない暮し、誠実な夫、そして美しい我姿…。なぜ?なぜ彼女はその扉をたたいたのでしょう?決して取り返しのつかない恐ろしい結末に、彼女はなにを見たのでしょう?
これも原作を読みました。どちらも、素晴らしいです。
なんていうか、ピエール・クレマンティ演じるチンピラに惹かれる気持ち、それは、わかるのよね…。
 



1967
彼女について私が 知っている2・3の事柄

ジャン=リュック・ゴダール
マリナ・ブラディ
アニー・デュプレー

 ストーリーは特にない。集合住宅に住むなんという事のない主婦が、なんという事なく体を売り、そのお金で服を買って美容室に通う。その結果には、なにもない。
倦怠感にみちた主婦のキャラクター、人間性はあるのか?疑わずにいられません。ああこの時代のパリに住む主婦はこんな感じだったのね〜、なんて思ってよいものかどうかもわからない。
ただ画面に映る色あふれるシーンは印象的です。
 

1967
バーバレラ

監・ロジェ・ヴァディム
演・ジェーン・フォンダ
ジョン・フィリップ・ロウ
アニタ・パレンバーグ
デヴィッド・ヘミングス
 いやーこの映画いったい何度見たことか!その魅力はコトバでは語りつくせません!
笑っちゃうほどB級なSF。宇宙飛行士バーバレラが不時着した謎の星はハンサムな堕天使や セックス・マシーンやセックス・カプセルや、インコ地獄やハーレムが渦巻くおかしな世界。
監督ロジェ・バディムの「俺の女房はこんなにいい女なんだぜ!」という 声が聞こえてきそうなほどのジェーン・フォンダのセクシーなこと、美しいことといったら…。
悪の女王がアニタ・パレンバーグということも必見です。
タイトル・バックのカッコ良さも屈指のもの!
 

1967
セシルの歓び

監・セルジュ・ブールギニョン
演・ブリジット・バルドー
ローラン・テルジェフ
ジャン・ロシュフォール
マイク・サーン
 BBが60年代に出演した映画のなかで、最も「60's的」な映画がこれだと思います。ピエール・カルダンを着てさっそうとロンドンへやってきたファッション・モデルの セシル。夫ある身でありながら一人の青年と出会い激しい恋に。赤いミニに乗ってスコットランドへ甘い逃避行へ・・・。
ローラン・テルジェフの絶望的なまなざしが胸を突きます。
私は個人的にマイケル・サーンが出演していることにドキドキなのです!
 

1967
あの胸にもう一度

監・
演・マリアンヌ・フェイスフル
アラン・ドロン

 「ガール・オン・モーターサイクル」。若い人妻マリアンヌ・フェイスフルが大きなハーレイ・ダヴィッドソンに跨って愛人のもとへ走りゆく。彼女が身にまとってるのはレザーのジャンプスーツ1まいだけ。エロティックな記憶と欲望、あきらめが彼女の脳裏をめぐりめぐる。そしてショッキングなラストシーン。
 アラン・ドロンのなんと粘着質なイヤらしさ!全編に漂う後ろめたい欲望のニオイ・・・。
 だけどこのマリアンヌは私の中のイメージどうり。清楚なイメージで少女のように笑うけれど、自堕落な女がみなそうであるように、彼女のひとみはいつもうつろだから。
 時は67年、ミックとの恋人関係もピークであったと同時に彼女の回りにドラッグの暗い影が押し寄せた頃。マリアンヌがもっとも美しかった頃・・・。

 

1968
うたかたの日々

シャルル・ベルモン
ジャック・ペラン
サミー・フレー
マリー・フランス・ピジェ
アニー・ビュロン
ベルナール・フレッソン
 私の大好きなジャック・ペランがSo Sweetな男の子役。もう一人のお気に入りがコック役のベルナール・フレッソン。原作を先に読んでいた私はどうやってこれを映画に!?とアタマの中をハテナだらけにしていましたが…。
本に忠実だったかどうかはさておき、この映画には完全なる独特の世界がひろがっています。60年代でも過去でも未来でもない“うたかたの”日々。ピアノのカクテルも心臓抜きも当たり前のように存在する世界。コランとクロエという名のふたり、料理オタクのコック、パルトル・マニア、睡蓮の病気、赤いワンピース、ちいさな結婚式…。
ほーらもう、こんなフレーズだけで、見たくてたまらなくなったでしょう?
 

1968
スローガン

ピエール・グランプラ
セルジュ・ゲーンズブール
ジェーン・バーキン
 ジェーンとセルジュが出会うきっかけとなった運命の映画。
スクリーンに映るすべてが ス・テ・キ!印象的なシーンがあまりんもたくさん!エレベーターの中での初めての出会い、2人だけのドライブ、鏡の部屋でウェイトレスに扮したジェーンのLOVELYなシーンetc。
監督自身の実体験をもとにしたという、中年男と若い娘の恋。 ストーリーの行く末はともかく、これはセルジュ&ジェーンという完全なるカップルをじっくり鑑賞するというだけでも見るに値するもの。まだ見てない方、頑張って探してとりあえず見ましょうね!
 


1968
囚われの女

監 
アンリ・ジョルジュ
・クルーゾー
出 ローラン・テルジェフ
   エリザベート・ウィネル

 ローラン・テルジェフという俳優は果してハンサムなのか?いいやきっとあの病的なまなざしに魔の魅力があるのだわ。「セシルの歓び」で一途な青年だった彼は完全なる「変態」としてオープニングから登場します。やわらかなゴムの人形を指でもてあぞぶしぐさ、やたらとアップで現れる彼の狂気のひとみ。なんてことない女の子がまさしく「囚われの女」になってゆくさま、特に前半のねっとりしたあぶなさは一見の価値あり。